耐震診断
目視による耐震診断とは、建物の外観や内部を直接確認し、耐震性能を評価する方法
以下の点を主にチェックします:
■基礎の状態
ひび割れや欠損がないか、基礎が沈下していないかを確認します。
■壁の配置や強度
耐力壁(地震に耐える壁)が適切に配置されているか、ひび割れや損傷がないかを確認します。
■接合部の強度
柱や梁の接合部に金物が使用されているか、劣化していないかを調べます。
■屋根の重さ
屋根材が重すぎる場合、建物全体のバランスが悪くなり、耐震性に影響するため、その材質や状態を確認します。
※この診断は、工具や機械を使わない簡易的な方法であり、主に建物の現状を把握する初期段階の調査となります。
構造計算
耐震診断内容を構造計算ソフトで分析する方法
以下のような手順で進めます:
■建物のモデル化
まず、建物の構造をソフトに入力します。これには、間取り図、部材(柱、梁、壁、床など)の寸法、配置、材質(木造、鉄骨造など)などの情報が必要です。
■荷重の設定
地震時にかかる荷重を設定します。これには、建物自体の自重、風圧、地震時の力(水平荷重)などが含まれます。耐震診断では、特に地震時の荷重が重要です。
■耐力壁や接合部の解析
ソフトは、各部材がどれくらいの荷重に耐えられるかを解析します。耐力壁(地震に耐える壁)や接合部の強度を計算し、地震時にその強度が不足していないかをチェックします。
■地震動のシミュレーション
構造計算ソフトは、実際の地震動(加速度)をシミュレーションすることができます。これにより、建物がどのように揺れ、どの部分が最も影響を受けるかを詳細に分析します。
■耐震性能の評価
ソフトを使って解析結果をもとに、建物が地震時にどれほどの耐震性能を発揮できるかを評価します。これにより、現行基準に照らし合わせて、耐震補強の必要性が判定されます。
■補強案の提案
必要に応じて、補強案を立てることができます。例えば、耐力壁の追加、基礎の強化、接合部の補強など、具体的な補強方法が提案されます。
※この分析により、目視診断では見逃す可能性のある細かい部分まで評価できるため、より精密な耐震性能の確認が可能となります。